私達から見たらこの世界は『異世界』
異世界・・・魔物と呼ばれるもの
神と呼ばれるもの
妖精、精霊、天使、悪魔・・・
私達から見れば空想の世界の住人と言えるもの達が確かにこの世界にいる
だがそのような世界にも人間や魔力を持たない動物たちがいる
この話はその世界にいる1人の少年のこと・・・

旅立ち

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「待てー!今日こそ逃がさねぞー!」
捕まってたまるか!このパンを持って行かないと!
僕は追ってきた人をまいて自分の家に帰った。
「ただいま、ミョル」
返事はない、それでもいい。
ミョルは動けないから。
一応僕の紹介をしておく。
僕の名前はトール・アース。
双生児である僕は体の弱い弟のミョルニル・アースと一緒にスラムで住んでいる。
ここに住んでいるのは理由がある。
母さんは僕とミョルを産み、8年前に風邪からくる合併症で死んだ。
元々体が弱く当たり前だと言えば当たり前だろう。
別段悲しみはない、母さんは物心が付いたときにはいなかった。
だが僕たちには父親はいた。
いたと言っても僕たちはお金になるぐらいになるまで育ってから売り飛ばしてしまった。
『ハルバス・フェルトナット』
僕達を買った人の名前だ。
この人は僕たちを買って人体実験、合成魔法の実験のために買ったらしい。
ハルバスは町でも凄腕の白魔法使いと知られていたがその反面、黒魔法にも力を発していた。
普通は白魔法と黒魔法、この二つを修得するのは不可能とされている。
だがハルバスはそれを成し遂げた。
そのために白魔法の究極魔法、蘇生魔法を成し遂げるために黒魔法である合成魔法などをして合成したモンスターと呼べる姿になった人と動物の混合した者のあらゆる物を取り墓場から奪った死体に使い生き返そうとしていた。
それを知ったのは僕が屋敷の掃除をしているとき間違えて入ってしまった時だった。
「真っ暗だなー、ここ、どこなんだろう?」
その部屋は本当に真っ暗だったが、一点だけ明るいところがあったのでその場所に行ってみた。
僕はまだ恐怖と言う物を完全に解ってなかったらしい、だから恐怖よりもほとんどの子供が持っている興味が強く働いてしまったらしい。
そこには人とは言えない、だが人の顔をしてそれ以外が他の動物が色々混ざっている生物がいた水槽のような物に入っていた。
「ひ!ば、化け物!」
そう言って逃げようとしたが腰が抜けて動くことができなかった。
だがその声を聞いて水槽の中にいた生物、この時はまだ意識がある人が声をかけてきた。
「おい、ここで何をしている」
「ぼ、僕は間違えて入ってしまって」
怖い、怖い・・・はずなのにこの人の声を聞いて安心したらしい、ちゃんと話せるんだって思ったから。
「お前は俺が怖くないのか?」
「こ、怖いと・・・思ったけど、あなたの声を聞いて強く怖いと思わなくなりました」
「はっはっは、そうか、お前は以外と強いのかもな」
「え?」
僕は強いと言われて違うと否定しようとしが男の人がこういってきた。
「すまない、強いと言ったのは俺の姿を見ても逃げなかったからな」
僕は違うと言おうとした、僕は腰を抜かしただけだ、といおうとした。
「腰を抜かしただけだ、と思ったか?でも今は動けるようになってるのに逃げなかった」
僕は驚いた、この人が僕の心の中で思っていることを言って当てたのだから。
「そんなに驚くな、簡単な思考を読むということができるようになったのはこんな体になってから備えた力なんだ」
「本当に?」
「ああ、この目が嘘ついてる目か?」
「・・・解らないよ」
「はっはっは、そうだな、だが本当なんだ」
「うん、おじさんの感じで、なんとか解る気がする」
「おじさんって・・・俺は見た目はそうだと思うが19才なんだぞ」
「嘘!?」
僕は驚いたよ、おじさんだと思っていた人がお兄さんだったなんて。
「その驚きようって無いだろ。ま、この姿じゃ無理ないか」
お兄さんは苦笑をしていたがその後に、
「おい、お前の名前ってなんなんだ?」
「え?」
「お前の名前だよ、あ、俺の名前言ってなかったなユミル・サージュだ」
「僕の名前は、トール・アースだよ、お兄ちゃん」
「そうか、トールか」
ユミルお兄ちゃんが何かに気づいたようで僕に、
「トール、もうそろそろ出た方がいいぞ」
と言ってきた。
「え?なんで?ユミルお兄ちゃん」
「ハルバスが来る」
「本当?ハルバス様が来るの?」
このころの僕はハルバスを見たことがなかった。
僕を買ったのがハルバスだが、いつもハルバスに会わせてもらえなかった。
だがハルバスの館で働いている執事やメイド達に聞いた話だと誰にでも優しくお金の無い人でも怪我や病気を治してあげたり、街での悪行があればハルバスの自警団がその悪行を止めている凄い人だと聞いた。
そのため僕は敬意を評して様を付けていた。
「あんな奴に様付けするな!」
僕はユミルお兄ちゃんの大声で言ってきたので驚いちゃった。
「あ、ご、ごめん、大声をだして」
僕は大丈夫って言う意味で首を横に振った。
「そうか、でもハルバスがここに来るから早く出ろ」
「でも、でもなんで出なくちゃいけないの?もっとユミルお兄ちゃんと話したいよ」
「今はもう出た方がいい、話したいなら・・・みんなが寝静まった頃にこい、そうすれば一緒に話そう」
「うん」
僕はまたユミルお兄ちゃんと話せると言うことで笑顔で返事をして部屋から出ていった。
「出ていったな・・・後何日、俺は人間としての意識が保てるのかな」
「保って・・・1日ですね」
物陰からユミルに質問の返事をしながら男は出てきた。
「やはりお前がいたか」
「お久しぶり、と言っても昨日会ってますがね」
「なんのようだ、お前には関係ない場所なんだろう」
「いえね、あの子がこの部屋に入っていくところを見たのでね」
その男は不適な笑みを浮かべ、ユミルは、
「ドラウプニル、あの子に傷を付けて見ろその時はお前を殺す、そのことを肝に銘じとけ、そのことをハルバスにも言っておけ」
ドラウプニルはユミルの脅しを聞いてそうしなければいけないと言った感じで怖がった。
「おー、怖い怖い、あなたには逆らえませんね、ですが・・・ユミル君、『ハルバス』ではなくハルバス様ですよ、様付けで言ってください」
「ハルバスで十分だ」
「ま、なんとでも言ってください」
ドラウプニルは普通の人には解らないほどの笑顔で言ってきた。
だがユミルはそれを見逃さなかった。
「ドラウプニル、何か企んでるだろう」
「なんのことでしょう?」
ドラウプニルはその言葉を言って部屋から出ていった。
ドラウプニルと入れ替わるようにハルバスが入ってきた。
いつもの合成実験のために。
・・・その日のみんなが寝静まったと思われる深夜。
「ユミルお兄ちゃん、来たよ」
トールが部屋に入ってきたがユミルから返事がない。
「ユミルお兄ちゃん?」
聞き返したが返事がない。
トールは心配になりユミルの所へ行った。
「ユミルお兄ちゃん、大丈夫?」
「・・・ん、おお、トールか」
「ユミルお兄ちゃんどうしたの、何度も声かけたのに返事してくれなかったんだもの」
「すまんな、寝てしまっていて」
「大丈夫だよ、じゃあ話そうよ」
「ああ、その前にトールに言っておくことがある」
僕は何も疑問を抱かずにユミルお兄ちゃんに聞き返した。
「俺の姿、今こんなだよな?」
そう言ってユミルお兄ちゃんの体を見た。
前にも言ったとうり、頭部以外は他の動物が混ざったような姿だった。
「俺は、いや俺とこの動物たちは元々は個々の生物だったんだ」
そう言ってユミルお兄ちゃんは自分の今の体になるまでのことを言ってくれた。
ユミルお兄ちゃんはハルバスの元助手だったこと。
そのハルバスの合成魔法のこと。
そのことを人に言ったこと。
そのことがばれて教えた人たちとユミルお兄ちゃんが捕まったこと。
捕まった人が一人一人合成魔法や蘇生魔法の実験台になったこと。
最後にユミルお兄ちゃんが合成魔法の実験台になったこと。
その素材に前に合成魔法で合成された人と、そして動物のみで合成されたものとの多重合成されたこと。
そんなことをユミルお兄ちゃんが教えてくれた。
「俺は、ハルバスは許せない・・・だがそれと同じぐらいに自分自身も許せないんだ」
「え、なんで?」
「俺がその人達に言わなければその人達や今同化しているこの人も何も起こらなかったはずなんだ」
そう言ってユミルお兄ちゃんは下を向きその人とぎりぎり解る場所を見た。
僕もそれを見て始めて気づいた。
人で言う、お腹のあたりに苦しみと悲しみ、そして恨みがいっぺんにでた顔をのぞかせていた。
僕はそれを見て驚き、恐怖、と言う物を始めて知ったように思えた。
その顔を見て恐怖、悲しみ、恨み、その他に生きたかったという執念が感じられた。
「解ったか、これを見て自分自身を攻めるのは普通なんだ」
僕はその人の顔を見た瞬間に強い悲しみを受け涙を出していたがユミルお兄ちゃんの言ったことを否定した。
「それでも!ユミルお兄ちゃんはその人達を助けようと思ってでしょう!?その人達はハルバス様に恨みがあってもユミルお兄ちゃんには恨みはないよ!」
ユミルお兄ちゃんは驚いた顔をしたがすぐに微笑した。
「ふっ、トールに励まされるとはな」
へへへ、と僕も笑った。
そして後ろから1人だけの拍手が聞こえた。
「いやぁ、言いシーンを見せてもらいましたね」
「ドラウプニル!」
「ドラルプニウ?」
僕はユミルお兄ちゃんの早い口調でその時は聞き間違えてしまった。
「私はドラウプニルですよ、トール君、言いにくいのならドラウと呼んでください」
「なにしに来た」
「いえいえ、さっきあなたが言ったようなことをやろうかと思いましてね」
「どういうことだ」
ユミルお兄ちゃんは僕には見せたことのない、人とは言えない顔を見せた。
「怖いから止めてあげてくれませんか、そんな顔をするとトール君が怖がりますよ」
ユミルお兄ちゃんは顔をゆるめて僕を見た。
僕はお兄ちゃんの顔を見て怖いと思ったがユミルお兄ちゃんが僕の方を見たときに怖い顔をしていなかったのでいつものお兄ちゃんだ、と安心した。
「へえ、あなたでも人前で顔をゆるめるときがあるのですね」
ドラウプニルは少し驚いた顔をしたが元に戻り紳士のように振る舞った。
「それでは、始めての顔を見せてもらったお礼に私の企みという物を見せてあげましょう」
そう言うや否や、ソーサラー部隊が物陰から出てきた。
ソーサラー部隊とは簡単に言えば魔法使い部隊である。
服装から見てハルバスの自警団の者だとわかった。
そしてハルバスもソーサラー部隊の後ろにいた。
「ハルバス!これはお前の企みか!?」
ユミルお兄ちゃんは急に大声をだしたため僕は驚いてビクッとした。
「いえいえ、さっきも言った通り私の企みですよ、その見届け人としてハルバス様とトール君に来ていただいただけですよ」
紹介があったようにハルバスは始めての挨拶をするように優しく言ってきた。
「トール君はじめまして、と言うべきかな?君の雇い主のハルバスだ」
「ハルバス様」
「なんだい、トール君」
「ハルバス様はなんでユミルお兄ちゃんをこんな姿にしたの?」
トールは涙目でハルバスの方を向きながら言った。
普通の大人なら恐怖でこのようなことは聞けない。
ユミルお兄ちゃんを見ればその理由がわかる。
だがこの時はさっきも言った通り、子どもとしての好奇心のほうが強いため聞かずにはいられなかった。
「なんでそんなことを聞くんだい?」
ハルバスはその質問の意味は分かっていたがわざと解らないようなことを言った。
「ユミルお兄ちゃんは何も悪いことをしてないのに!」
ハルバスはそのことを聞いてやっと理解したような演技をした。
「あー、そのことか・・・自分の道具をどう使おうがいいじゃないか」
その言葉を言ったときのハルバスの顔が人とは思えない一度だけ会ったことのあるモンスターのような、そして恐怖を植え付けてくるような恐怖を覚えてしまった。
それを見て何となくだがトールは人ではなくこの人もお兄ちゃんとは違う本当に怖いモンスターだと心から思った。
「どうしたんだい?私はそんなに怖いかい」
ハルバスの口調は優しく言っているようだが恐怖しか感じない。
「怖いのならこれからする光景を言わないでほしい、その代わり特等席でその光景を見せてあげよう」
そうハルバスが言うとドラウプニルは右手を軽く挙げ、それが合図だったのかソーサラー部隊がお兄ちゃんの入っている水槽のような物の回りを囲み呪文のような物を唱え始めた。
その人達が呪文を唱え始めて数十秒もたたないうちにお兄ちゃんが苦痛を覚えた悲鳴をあげた。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
その悲鳴を聞き僕はお兄ちゃんにあんなことを止めてとハルバスに言った。
「解ったから、だから後もう少しだけ我慢してもらおう」
ハルバスがその言葉を言うとドラウプニルが僕を抑えてきた。
「放せ!放せ!お兄ちゃんが苦しんでるんだ、早く止めないと!」
僕が捕まり何もできなく、お兄ちゃんが苦しんでるのに何もできないのに僕は涙を流し、大声で叫ぶしかできなかった。
僕が大声で叫びすぎて声が出なくなり始めた頃お兄ちゃんは苦痛の悲鳴を止めた。
「ハルバス様、ドラウプニル様、終わりました」
ソーサラー部隊がハルバスとドラウプニルに何かが終了したことを告げドラウプニルがハルバスにこう言った。
「そうか、ご苦労、さ、ハルバス様もうここは危険ですので自室にお戻り下さい」
「わかった」
ハルバスがこの部屋を出たらドラウプニルが僕にこう言った。
「ト−ル君、君のお兄ちゃんはもう解放されるんだ、だからお兄ちゃんの所に行きなさい」
僕は人を信じない、疑いの心がなかった。
そのためにお兄ちゃんの所まで本当に行った。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん!起きて、お兄ちゃん」
僕がお兄ちゃんに声をかけたらお兄ちゃんが起きた。
いや、もうお兄ちゃんじゃなかったんだ。
いつものお兄ちゃんの姿をした別の生き物だった。
他の人はこう言うだろう。
モンスターと。
たとえユミルお兄ちゃんの性格を知っていても、見た目が怖くても優しい人だというのがわかっていても。
僕はユミルお兄ちゃんが起きたと思って喜んだ。
だが目を覚ました瞬間大きな水槽を壊して外に出た。
「お・・・お兄ちゃん?」
ユミルお兄ちゃんは外に出て僕には目もくれず他の水槽を壊そうとした。
だが、ソーサラー部隊が沈静させるため体の自由を奪うマインドコントロールの魔法を使った。
この魔法はソーサラー自身にも多大な負担がかかるため数秒の足枷という効果としてだけ使うのが普通。
なのだが、普通ならここでその数秒だけでは意味がないのではと思うが、この魔法は詠唱を一回唱えれば魔力を送り続ければ効果は消えない。
しかも数人のソーサラーがいるため20秒以上もつことができる。
魔力を送り続けている間ドラウプニルがユミルお兄ちゃんに近づいた。
「それではこれをつけてと」
ドラウプニルは銀色の宝石を着けた腕輪をユミルお兄ちゃんの腕に取れないように固定をしてつけた。
どんなものかわからないけど、ドラウプニルがつけたものだからただの腕輪じゃないことはなんとなくではあるが子どもなりにわかった。
「ユミル君はもう落ち着いたようですし私たちは出ましょうか」
「はっ」
ドラウプニルとソーサラー部隊はユミルお兄ちゃんと僕を残して部屋を出て行った。
ユミルお兄ちゃんはドラウプニルが言ったように落ち着いていて、僕と会話できるようになった。
「トール、お前は早くこの屋敷から出ろ」
「え?」
僕はユミルお兄ちゃんの急なことを言い出したので驚きを隠せなかった。
「このままでは俺はお前を殺しかねない・・・仮に俺が殺さないとしてもハルバスがお前のことを生かしておくわけがない」
「殺すってどういうこと?それにどうやって出るの・・・それに弟もこの屋敷にまだいるし、それに出たとしても僕には帰る場所も訪ねれる場所がないよ」
「そうだな・・・いろいろと問題はあるが今は俺のこの理性が戻っているうちに」
ユミルお兄ちゃんが頭をかかえて痛そうにしている。
「大丈夫!?お兄ちゃん」
「・・・まだ、大丈夫だ・・・それじゃあ本題に入る、これから元々俺の家だったところがある」
ユミルお兄ちゃんはその後に簡単な説明をしてくれた。
この屋敷から離れている町に小さな家があるらしい。
自分の名前の看板がかざってあるらしいのでそこに一時的にすんでいるようにといわれた。
弟はこれからユミルお兄ちゃんが騒動を起こすからその間に荷台に乗せ固定をしてから引いて行けとのこと。
家にはあと約3ヶ月後にはユミルお兄ちゃんの友達が来る予定らしい。
一年間に一度、飲み明かす予定のためらしい。
その人にユミルお兄ちゃんのことを見たこと聞いたことをすべて言えば形振りは考えてくれるかもしれないという。
「ユミルお兄ちゃんは・・・これからまたあの魔法使いさんに痛いことされるの?」
「・・・だろうな」
「ならこんなことしなくていいよ!ユミルお兄ちゃんが痛いならやらなくていい!」
「ならお前の弟はどうする、実験で俺のようにされる可能性は今のままだと高いぞ」
「でも・・・」
「大丈夫、俺は俺自身が痛いのは我慢はできるが、お前みたいな数少ない心から認めれるやつが傷つくほうがよっぽど痛いんだ。だから俺のためと思って二人で逃げてくれ」
「・・・」
ユミルお兄ちゃんがいったこととはいえ僕は素直にうなずくことはできなかった。
「・・・つらいだろうが、逃げてくれないか。俺はどんなことがあっても死なない、そしてお前の前に生きて会いに行く。だからそれまで生きてくれ」
「・・・絶対に死んじゃいやだよ。絶対に生きて僕に愛に着てよ」
「ああ、約束だ」
「それじゃあ、僕は荷台をだしてくるね」
「そのまま逃げろよ」
「うん」
「少しの間のお別れだ」
「・・・うん」
ユミルお兄ちゃんが僕が荷台の準備をした後に弟を迎えにいったころに暴れだした。
僕はそれを合図に弟を背中にかついで荷台のある場所まで走り出した。
荷台に弟を乗せ、柵を固定してできるかぎり揺れを少なくしながらユミルお兄ちゃんが言った家まで走った。
暴れている音が少しずつ離れていき、聞こえなくなった。
僕は泣きながらも弟をのせた荷台を引き、とうとうユミルお兄ちゃんが言った場所についた。
ベットは1個で椅子が4個、それなりにでかいテーブルが1個と一人暮らしなのか小さなタンスが1つだけあった。
食料の備蓄もそれなりにあり、近くにお金もあった。
お金はもしものためにためておいたものということで使っていいといわれたが、使うことに躊躇してしまう。
生き残るだけなら食料だけでも少しずつ食べていけばいいと考えた。
だがすべて考えて食べていったにもかかわらず2週間で底をつき、今の僕がいる。
今日も明日も明後日も食べ物を盗んでたべてユミルお兄ちゃんがいっていた知り合いがくるまで待ちながら・・・



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