いつもの溜まり場にクリス、シンディス、來李の三人がいた。
「ひまだね〜、三人でどっかいかない?」
クリスが暇なのに耐えかねて二人に声をかけた。
「いいですけど、もうそろそろ福神漬けさんややよいさんが帰ってくるのでは?」
「そうだよ、もう少しまっていよう」
声をかけられた二人はクリスにもう少し待つようにいった。
「うう・・・」
二人にそういわれては待たないわけがなく、ゆっくりと座った。
少し離れた所から聞こえた話し声に三人は気になった単語を聞いて聞き耳をたてた。
「それじゃあ、亀島のダンジョン入ってすぐのあそこにタートルジェネラルでたの!?」
「そうみたい、普段は最深部にいるはずなのにでてきたのかな」
三人はそのことをきいて少し止まった。
「・・・えっと、今やよいと福ちゃんって亀島いるんだよね」
「う、うん、ダンジョン入ってすぐの場所で狩りしてるはず・・・」
また数秒止まってクリスが大声で。
「え〜〜〜!?」
【戦いの中で?】
「あ〜、もう少し亀でてこないかな」
「福ちゃん、贅沢言わない、今でも十分でてるでしょ」
「でも単調作業すぎてつまらないし」
「それじゃあ一緒に私と一緒にいるのもつまらない?」
「・・・それ言われると弱いな」
「ならもう少しがんばろ〜」
タートルアイランド、通称亀島にてダンジョン内に二人の男女がいた。
男性プリーストの福神漬け。金髪を肩までのばしたぱっとみシンディスと似ている。性格は欠点は優しすぎるところだが、逆に利点でもある防御型。
もう一人は女性モンクのやよい。少し緑がかった髪で福神漬けと同じくらいの長さの髪である。性格は放任的なところを除けば、明るく楽しい人だ。
「なにか楽しいことおきないかな」
福神漬けはやはり暇なのか楽しいことを望んだ。
神はこたえてくれたのか何かが落ちてくる音がして上をみてみたら。
横に地響きとともになにかが落ちてきた。
横を見てみたらおもいっきりやよいの上にのっかっていた。
しかものっかっているものがタートルジェネラルという亀のボスである。
福神漬けややよいのことを気にせずタートルジェネラルは歩いていき何事もなかったようにいなくなった。
あっけにとられた福神漬けははっと気づいてやよいのほうを見たら顔面に足型がついていた。
「だ〜!!なにがふってきた!!」
やよいは足型を残した張本人を知らずにいたため鼻血をぬぐってその本人がいるであろう方向に歩いた。
福神漬けはまたあっけにとられたがやよいの後に続いていった。
「えっと、さっきのふってきたのってタートルジェネラルだったよ」
「え!?まじ!?」
「うん、でもなんでダンジョンに入ったところに?」
二人がタートルジェネラルを探していると、数人の倒れているパーティーがいた。
「なむ〜」
「なむあり〜、あ、このフィールドにタートルジェネラルいませんでした?」
「いたけど、なんでこんなところに・・・」
「ははは・・・ごめんなさい」
「なんであやまるんですか」
「えっと・・・それ私たちがアブラカタブラで出しちゃったモンスターなんで」
福神漬けとやよいは驚きのあまり時が止まったかのような反応を見せた。
「私たちじゃたおせないので処理お願いしますね、それじゃ〜」
「ま、まて!!」
いうやいなやそのパーティーはいなくなってしまった。
「自分らのだしたのは自分らで処理しろ〜!!」
やよいはふまれて、今の強制的な願いも聞かなければいけないことに怒りが頂点にたっしそうになった。
「まあまあ、たおさないとゆっくりとできないんだからね」
福神漬けは落ち着くようにいってはいるがやはり手に負えないかなと少しあきらめている。
「あと少しで修練値(LV)があがるからあげたら倒しに行くよ」
「はい」
それからまたゆっくりと亀をたおしていき二人があがったため、タートルジェネラルを本格的に探すようになった。
「タートルジェネラルどこだ〜!!」
〈うわ〜・・・やよい、すっごく怒ってるな、あまりふれないほうがいいな〉
福神漬けは無理に落ち着かせることはやめた。
ここでふれでもしたら確実に怒りをかうことになるからだ。
数分間探してやっとみつけた。
「タートルジェネラル!!やっとみつけた!!」
タートルジェネラルはゆっくりと振り返った。
「ほっほっほ、わっぱたちよ、わしにようかな」
「わっぱっていうな!!」
福神漬けはわけがわからないので頭の上に?マークがでるほどのだった。
「わっぱって私たちのこと子どもっていってるの」
「へ〜、でもそれは怒るところじゃないんじゃ?」
「そう、なんでおじいさんが私の上におちてくるの!!」
「落ちた?なんのことじゃ、わしはずっとここにいたぞい」
〈・・・これだから年寄りは〉
やよいは怒りを無理やりおさえて話を続けた。
「いいから、ここのダンジョンから元の最深部に戻って」
「わしゃあ、帰り道がわからんのでの」
やよいはとうとうきれたため、気功を五つだし、爆裂波動、そして阿修羅覇凰拳をうった。
「いたいではないか、年寄りに急になにをするんじゃ」
「年寄りなら年寄りらしくしてなさいよ!!」
「いやじゃ、わしはまだ現役じゃ、ここにいるすべてのひ孫達にはまだまだ負けんぞ」
「ここにいるのすべてひ孫!?」
今いるダンジョンには多くの亀がいる。
それがすべてタートルジェネラルのひ孫にあたるらしい。
「おじいさんがんばりすぎ」
「ほっほっほ、亀は多産ゆえ、それにおぬしら人間がわしらを狩るからハッスルして子ども産むしかないんじゃ」
「ハッスルいうな!!」
やよいはますます怒りをあらわにしながらも手を震わせながらおさえていた。
「ひとつとなりのところが孫のいる所で、最深部が我が子たちじゃからの」
「あんたら亀とはいえがんばりすぎ!!」
福神漬けはもう話についていけなく小さな亀をみつけたため捕まえて一緒に遊んでいた。
「って、帰り道わかってるじゃないの!!」
「はて、なんのことじゃの〜」
やよいは完全にきれたことにより普通モンクでは使えない転生職のスキル
練気功
を発動した。
ローヤルゼリーをも大量に使い
阿修羅覇凰拳
の準備をした。
「福ちゃ〜ん・・・レックスエーテルナをこのおじいさんにお願い」
「はっはい、レックスエーテルナ!!」
福神漬けが発動したレックスエーテルナはタートルジェネラルのまわりに光の剣をただよわせた。
「ま、まて、落ち着くのじゃ、話せばわかる」
「阿修羅覇凰拳!!」
やよいは怒りに任せた阿修羅覇凰拳をタートルジェネラルにうちこんだ。
「これで怒りがおさま・・・」
「いたいの〜、わしも攻撃されてばかりじゃつまらんので攻撃するかの」
「なんで傷ないの!!」
「あるぞい、ほらここに」
自分の手についた小さな傷をみせた。
「しわでわからないよ」
「まあ、次はわしの攻撃じゃ」
タートルジェネラルは手に多くの水を発生させた。
「え・・・まさか、それうたないよね・・・」
「ウォーターボール!!」
「わ〜〜〜!!」
すごい勢いの水鉄砲をくらい倒れた。
やよいは意識をうしない、セーブ場所に戻ってしまった。
「おぬしもくらうか?」
福神漬けはさっきみた威力がすさまじいのを見て逃げ腰になった。
「ははは・・・さようなら〜!!」
すぐさまテレポートをしてやよいのところにもどった福神漬けだった。
「それじゃあ楽しんだところで元の場所にもどるかの」
タートルジェネラルはゆっくりと最深部にもどっていった。
数分後のゲフェンでは・・・
「あ〜、やよいや福ちゃん大丈夫かな」
「なんとかなるって、あぶなくなったら逃げてくるだろうし」
「・・・ただいま〜」
「おかえ、きゃ〜!!傷だらけ」
クリスは心配をしていたため、傷だらけのやよいを見て驚きをかくせなかった。
「くっそ〜!!あのじじいめ、次あったらただじゃおかないんだから!!」
「それをやったからやよいがただじゃおかなかったんじゃないか」
「・・・う、うるさ〜い!!」
やよいは福ちゃんにヒールをしてもらいながら反論をしたが、怒りが収まらないことのほうが我慢できなかった。
「どうしよう、この怒り・・・」
そこへ、アブラカタブラでタートルジェネラルをだした数名のパーティーが近くを通った。
やよい、福神漬けは気づき、そのパーティーの人達もこちらのことを気づき軽く手をあげてパーティーは逃げた。
「・・・GO TO HELL」
「わ〜!!」
気功をだしたやよいは鬼気迫る顔をしながらどこまでも追って行った。
「福ちゃんもたいへんね」
「はは・・・」
このギルドの楽しい(?)生活はこれからも続いた。
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